認定代理店 Twitter活用事例

JINS公式アカウントの躍進を支えるホットリンクのTwitterノウハウ

2019年12月からTwitterのJINS公式アカウント(@JINS_PR)の運用をサポートしているホットリンク。わずか1年でUGCが380%、インプレッション数が800%、エンゲージメントが680%と高い成果を達成し、2021年12月のクリスマスキャンペーンでは応募件数1万件超でトレンド1位を獲得しました。その運用ノウハウと戦術について、株式会社ホットリンク ソーシャルメディア事業本部コンサルティング部リーダーの福岡優星氏に聞きました。
 

UGC 3.8倍、ブランドエンゲージメントも急増したJINS公式アカウント

Twitter公式アカウントを運用している企業・ブランドは数えきれないほどありますが、そのなかでもアイウエアブランド「JINS」は、多くのファンから厚い支持がある人気アカウントとして注目されています。

御社は「JINS」のTwitter運用をサポートされていますが、この2年間で「JINS」のTwitter運用に大きな成果が出たそうですね。

福岡氏:JINSさんは「ユーザーとコミュニケーションできることがSNSの価値」という考えの下、それまで商品やキャンペーンの情報発信が主だったTwitterの運用方針を2020年から切り替えました。単にコミュニケーションするだけでなく、コミュニケーションをきっかけにファンの生の声が拡散し、それがトレンドとなって市場に影響を与えることを目指していて、私たちもその理念に大きく共感したのです。実際SNSが購買のきっかけとなって物を買うという方は増えていますし、ソーシャル全盛の時代だからこそ、ソーシャルでアテンションを取ることはとても大切です。

Twitter マーケティング 対談


株式会社ホットリンク
ソーシャルメディア事業本部コンサルティング部リーダー
福岡優星氏
 

ただソーシャル時代はアテンションの量だけでなく、質も考えなければなりません。当社ではその質こそ、ユーザー自らが発信するコンテンツ「UGC(User Generated Contents)」だと考えています。ユーザーが発する生の声だから情報の信頼性が高く、態度変容が起こりやすいので購買行動につながるからです。

この2年間、私たちホットリンクはJINSさんと相談しながらUGCを増やしていく施策を展開してきました。その結果、2020年3月から2021年同月までの成長率は、UGC数が380%増、GoogleやYahoo! の指名検索数が165%、インプレッション数約800%、エンゲージメント数約680%、フォロワー数も1.4倍に増えたと伺っています。

また2020年と2021年のクリスマス時期に「#JINSサンタ」というキャンペーンを展開したのですが、これは画像付きUGCとしては過去最大数のものとなりました。2020年のTwitterトレンドで3位、2021年には1位を獲得しています。

それは素晴らしい成果ですね。

福岡氏:SNSが購買行動につながっていることは認識されていますが、実際の成功例はまだ少ないと思っています。当社は「ソーシャルメディアマーケティングのスタンダードを作る」という事業ミッションの下、自社データを活用したデータドリブンなソーシャルマーケティング支援を強みとしており、戦略立案から施策実施、効果検証まで一気通貫でサポートできることを強みとしています。またアーンドメディア活用ノウハウもあるので、クライアントと併走しながらマーケティング活動の限界突破を支援しています。

 

UGCが増えると収益増が期待できる理由

今回の取り組みに関する具体的な戦略・施策を教えてください。

福岡氏:まず前提となるUGCについてです。先ほど、ユーザーの生の声だからこそ信頼性が高く、態度変容が起こりやすいと説明しましたが、もう1つ重要な点は「ユーザー目線」であることです。自分と同じユーザー目線だからシェアされやすく、多くの人に届きやすい。企業とユーザーの「1対N」のコミュニケーションではなく、ユーザー間で拡散・シェアが行われるので「N対N」の情報伝播が起こるのです。

こうしてUGCが増えると「これは何だろう」と思う人が増え、指名検索が起こります。ほかのクライアントの例では、口コミ=UGCが増えると指名検索が増え、その結果売上が増えるという結果が出て、この3点が相関していることがわかりました。

Twitter マーケティング リサーチ結果


UGCと指名検索と売上の相関関係(オレンジ線はGoogleトレンド、青線はツイート件数、棒線は売上)
 

こうしてUGCから購買を促していくプロセスを当社では「ULSSAS(ウルサス)」と呼んでモデル化しています。

Twitter マーケティング 購買行動モデル「ULSSAS」


購買行動モデル「ULSSAS」
 

まずUGCが発生し、それに対して「いいね!(Like!)」などのエンゲージメントが集まります。たくさんのエンゲージメントが集まると、SNS内でトレンドを検索するという第1の検索行動(Search)が起こります。そして商品についてより詳細に知りたくなると、Googleなどの指名検索、つまり第2の検索行動に進みます。そして実際に購買するというアクションを起こし、「買いました」とその結果を拡散(Spread)とするという循環です。

当社ではこのウルサスモデルを回していくことで、UGCも右肩上がりに伸びていくことが可能だと考えており、実際にJINSさんはこの理想形になっています。

どのような施策を行ったのでしょうか。

福岡氏:大きく取り組んだ点は3つです。第1に質の高いフォロワーを集め、アカウント基盤を強化したこと。第2にユーザー起点のコミュニケーションを促し、UGCのきっかけとなるオーガニック投稿を展開して運用を工夫したこと。第3にキャンペーンの展開です。

 

高い成果を達成できた戦略・施策の中身とは

施策の詳細を教えてください。

福岡氏:第1のアカウント基盤強化のために集めた「質の高いフォロワー」については、4つの層をターゲットにしました。まずJINSさんの顕在ユーザー、次に潜在ユーザーです。潜在ユーザーに関しては、メガネに興味がある方の興味関心軸を当社のツールで分析し、その層にターゲティングしていきました。意外とアニメのコスプレ好きな方もターゲット層になることがわかったんです。当社の分析ツールを使うことでクライアントも気付かなかった潜在層を発掘できますし、Twitterは興味関心軸でターゲティングして広告配信できるので、ここは強みを発揮できたところです。

またTwitterのアクションに積極的な方も対象にしました。これも当社のR&D部が開発したシステムを使い、JINSさんにエンゲージメントをしやすいユーザー層を割り出して、Twitterのカスタムオーディエンス機能を活用してターゲティング配信を行いました。

最後にJINSさんが展開しているコラボ商品に興味がありそうな方々です。これもコラボ先に興味のありそうな方を対象にターゲティング配信しました。こうして自発的に口コミする方、それにリアクションする方を集め、UGCが起こりやすいアカウント基盤としたのです。

実際にUGCを生み出す施策はどのようなものでしょうか?

福岡氏:それが第2のUGCのきっかけ作りとなるオーガニック投稿で、いろいろなパターンに挑戦しました。

たとえばJINSさんのオンラインショップではメガネのバーチャル試着機能を提供しているのですが、これを使った遊びの企画を投稿しました。動物以外にも、ぬいぐるみにメガネをバーチャル試着させるなど、ユニークな投稿が集まりました。

またユーザーのUGCや口コミを引用し、メガネユーザーの方の「不」を解決するようなコミュニケーションもあります。具体的には「レンズのくもり止め対策まとめました」というように、ユーザーが感じている不便を解消するようなコミュニケーションです。

Twitter マーケティング キャンペーンツイート

ユーザーの不を解消するコミュニケーション投稿例
 

あとはユーザーとのコミュニケーションでUGC獲得を目指す施策です。「みなさんのメガネの収納方法をコメントで教えてください」と投稿し、自分の持っているJINSメガネを見せたい方や、所有する複数のJINSメガネの写真を投稿している方の表現欲求を満たすような施策を行いました。

 

Twitter マーケティング キャンペーンツイート

UGCに対するコミュニケーションの投稿例
 

こんな形で展開していましたが、時間が経つうちにUGCの“上限”に達し、そこからなかなか限界突破できないという課題に突き当たったのです。

どのように対処したのでしょうか。

福岡氏:そこで行ったのが2020年12月の「#JINSサンタ」キャンペーンです。JINS公式アカウントをフォローし、「#JINSサンタ」というハッシュタグを付けて欲しいメガネをツイートすると、8800円分のメガネ券をプレゼントするというもので、画像付きのUGCとしては過去最大数となりました。2020年の応募者数は約4000名で、リプライも含めると5000件以上の投稿がありました。

2021年12月も「今年もJINSサンタがやってくる!」として同じ企画をしたのですが、こちらは参加数1万件超えとなり、冒頭に話したとおりトレンド1位を獲得しています。非常に大きな成果となりました。

Twitter マーケティング キャンペーンツイート

2021年のJINSサンタ
 

そして全体として、UGCが上がると指名検索も増えるという相関関係がはっきり確認できたということも大きかったです。

 

TwitterがSNS戦略の中核となる理由

今回の「JINS」の取り組みの成功ポイントを教えてください。

福岡氏:Twitter運用ではフォロワー数などをKPIに置く企業が多いと思いますが、JINSさんの場合、たとえばキャンペーンに当たっても「どれだけユーザーに楽しんでもらえるか」「どれだけUGCを獲得できたのか」を重視していらっしゃいます。前述したとおり、当社も同じ思いを持っていて、JINSのご担当者様も当社の考えに共感してくださってこの取り組みを展開しましたが、アカウントの運用やフォロワー数だけがゴールとなっていたり、Twitterを単なる情報発信にしか使っていないケースも多数あるなか、JINSさんは自社に合った活用を展開している点が大きいと考えています。

Twitterの特性を上手に活用しているわけですね。

福岡氏:JINSさんの場合、もともとUGCが出やすく指名検索されている商品でしたが、より運用方針を絞ってULSSASを回していくことができました。ただUGCや指名検索が少ない商材でも、UGCのきっかけを作ったり、時間やコストはかかりますがキャンペーンやプロモーションを展開したりすることで、戦略的にUGCを積層していくことはできると思います。

Twitterの大きな特徴は拡散性です。たとえば100万円で広告配信を行い、その広告がリツイートされると、配信された人のその先にいる人にまで広告が届くことになります。実際当社のデータで見ると、Twitterでバズが起こると別のSNSメディアに波及することがわかっており、その拡散性はほかのSNSにはありません。その意味ではTwitterはSNSの中核といっていいでしょう。「まずはTwitterで基盤を作り、拡散できるようになったら別のSNSを運用しましょう」と提案することもあります。UGCの創出や拡散に悩んでいる企業様は、ぜひ一度お問い合わせください。

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