調査

新時代のメディアプランニング- 有料動画配信(VOD)サービス-

インターネット広告の重要度が増す時代

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受ける中、2020年のインターネット広告費はついにマスコミ4媒体に並び、全体の3割以上を占めるまでに成長しました。そして今後も継続して伸びていくと予測されています(dentsu 調査レポート2021年3月10日公表「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」より)。
 

2020年 日本の広告費媒体別構成比

Twitter マーケティング リサーチ結果

Source https://dentsu-ho.com/articles/7694 電通報(2021/03/22公表)より作成
 

その背景として、スマートフォンをはじめとするモバイル端末の普及に伴う、消費者のモバイルシフトが挙げられます。マスメディアを含めたメディア接触時間の推移を見ると、2006年にはわずか3%だったモバイルメディアの接触時間が、2021年には39%と13倍に増えています(博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所「メディア定点調査2021」より)。
 

メディア接触時間構成比

Twitter マーケティング リサーチ結果

Source | 博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所「メディア定点調査2021」https://mekanken.com/mediasurveys/ 全体を100%としたシェアを算出して作成。東京エリア在住15−69歳男女(n=647)

 

そこで今回は、キャンペーン予算におけるデジタル媒体の構成費が50%を占める、有料動画配信(VOD)サービスの新タイトルリリースキャンペーンに着目しました。予算構成は、TV:16%, OOH:35%, Twitter:23%, 無料動画サービス:27%となっています。本キャンペーンにおける媒体ごとの貢献度と投資効率を測定するため、Kantar Japan社によるクロスメディア調査を実施し、媒体ごとに比較検証しました。
 

ソーシャルメディアのリーチが7割

キャンペーンにおける媒体別リーチ率を調査したところ、トータルリーチは75%という結果でした。その内訳を見てみると、オフライン媒体(テレビおよびOOH)が26%だったのに対して、ソーシャルメディア(Twitterおよび無料動画サービス)は69%と圧倒的に広いリーチが取れていることがわかりました。
 

媒体別リーチ率

Twitter マーケティング リサーチ結果

Source | Kantar Japan, CrossMedia Research™   Oct.-Nov. 2020関東在住 18-34才 男女 

 

さらにソーシャルメディアを媒体別で見てみると、それぞれの単独リーチは大きく、Twitterと無料動画サービスの両方を活用することでリーチの最大化が図れることがわかります。
 

ソーシャルメディア媒体別リーチ率

Twitter マーケティング リサーチ結果

Source | Kantar Japan, CrossMedia Research™   Oct.-Nov. 2020 関東在住 18-34才 男女 

 

シナジーによる認知形成と意向喚起への貢献

では各媒体の認知・意向ファネルでの貢献度はどうでしょうか?有意差があったものだけを抽出した分析結果では、認知形成、意向喚起のいずれにおいてもTwitterが高く貢献していることがわかりました。Twitter単体での貢献度はもちろんのこと、ここで注目したいのはTwitterと無料動画サービスを併用することによる貢献度の高さです。特に意向喚起においては、無料動画サービス単体での貢献度は見られませんでしたが、Twitterとの併用により30%以上の貢献が見られます。無料動画サービス上の広告を見たあとに感想をツイートをしたり、またそのツイートがリツイートされ拡散されるなどのTwitterならではの効果が起因していると考えられます。
 

認知形成への貢献度

Twitter マーケティング リサーチ結果

意向喚起への貢献度

Twitter マーケティング リサーチ結果

Source | Kantar Japan, CrossMedia Research™   Oct.-Nov. 2020 関東在住 18-34才 男女 

 

高いTwitterの投資効率

続いて各媒体の認知形成および意向喚起における、貢献度の費用対効果を見ていきます。投資効率のベンチマークを100%と設定した場合、Twitterは認知形成において226%と他の媒体と比較し高いコスト効率を発揮しました。また、意向喚起においても254%と、テレビの2倍、無料動画サービスの4.5倍の投資効率となりました。
 

認知形成におけるメディア貢献効率

Twitter マーケティング リサーチ結果

Source | Kantar Japan, CrossMedia Research™   Oct.-Nov. 2020 関東在住 18-34才 男女 

 

意向喚起におけるメディア貢献効率

Twitter マーケティング リサーチ結果

Source | Kantar Japan, CrossMedia Research™   Oct.-Nov. 2020 関東在住 18-34才 男女 

 

考察

今回の分析結果では、Twitterがリーチ、認知形成と意向喚起への貢献のいずれにおいても大きく関与し、費用対効果も優れていることがわかりました。また、Twitterと無料動画サービスを併用することで、リーチ率の最大化を実現しています。同様に、無料動画サービスとのシナジー効果は認知形成と意向喚起においても見られました。ひとつの媒体だけでは出せない効果が、Twitterを併用することで得られます。中でもTwitterと無料動画サービスとの併用効果が高いことが実証されました。またTwitterを使えば、キャンペーンのティザー段階で期待値を高めることもできるなど、プラットフォーム特性を生かした効率的な施策も可能です。今後、Twitterに寄せたメディアプランニングをすることで、投資効果の最適化が可能となるでしょう。

October 28, 2021
Tags
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