視点

今起きていることと「コネクト」する <後編> - 新たなオケージョン(出来事)を活用する、トレンドの波に乗る

ソーシャルライフの潮流は「リアル」から「バーチャル」へ

大人数での集会や会合が困難となった昨今、誕生日や記念日、祝日がなくなったわけではありませんが、その祝い方は従来と大きく形を変えました。

また、大人数での会食やパーティーなど、これまで当たり前のように行われていたソーシャルライフのあり方も「リアルの場」からデジタルメディアを活用した「バーチャルの場」へと大きく変化しました。

会話をリードしている企業やブランドは、こうした新たなオケージョンを活用して、離れた場所にいる人々をつなぎ、支援しています。

世界最大の同人誌即売会のコミケは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から中止を決定。しかし「エアコミケ」の開催が決定し、長い歴史の中で初の試みに多くのファンが盛り上がりました。

リアルのイベントからバーチャル(エア)イベントに形は変わっても、多くの人々が参加し、会話を盛り上げていました。

サントリーは、先払いで食事のチケットを購入することで飲食店を支援する「#さきめし」プロジェクトを実施。コロナ禍で厳しい経営状況に立たされている飲食店を支援しました。

直接会えなくてもつながりの方法を模索するTwitter利用者と、きっかけを提供するブランド

この数カ月の間に、数多くの在宅に関するトレンドが生まれました。

外出自粛要請を受けてから「#おうち時間」に関する会話も急増。3/16-3/31の4万ツイートに比べ、4/1-4/14では55万4千ツイートと約14倍近く増加しました。*自宅にいながらどのように人とのつながりを保つか、オーディエンスの工夫がTwitter上にみられます。

*Source: Brandwatch、Query: #おうち時間 OR #お家時間 OR おうち時間 OR お家時間(”コロナウィルス”を含まない会話量)

ブルボンは、いつものお菓子を面白く工作するアイディアを投稿しました。人気の企業公式アカウントからの意外なツイートはフォロワーの垣根を超えてシェアされ、「食べたくなった」という声も多く見受けられました。

Twitterを活用したマーケティングに熱心なブランドはこうしたトレンドをいち早く察知し、それに絡めた話題をTwitter利用者に提供します。トレンドの波に乗った話題は利用者に受け入れられやすいため、ブランドの認知度やエンゲージメントを高めるのに役立ちます。

NTTドコモは、学生のオンライン学習等のインターネット利用を支援するために、対象プランを契約中の25歳以下の利用者について、4月、5月分の追加でのデータ購入を一部無償化すると発表しました。外出が制限されている状況下で、人々がオンラインでつながれるための取り組みが反響を呼びました。

ユニクロは、在宅の時間が長くなる中で「#おうち服なに着てる」のハッシュタグを利用し、Twitter利用者の会話を促すプロモーションを実施しました。在宅中何を着たらいいかわからない、他の人は何を着ているのか気になるといった同じ境遇の人同士でつながるきっかけとなり、大いに盛り上がる施策となりました。

あなたのブランドが顧客とつながるための機会(モーメント)には何があるか、考えてみましょう。そして、ブランドが提供する価値と絡めた内容を想像してみましょう。

今起きていることとコネクトすることで、マーケティング目標への到達がぐっと近くなることでしょう。

September 18, 2020
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